平安絵巻と源氏物語の世界を感じに
世界遺産 平等院&宇治上神社観光


5月19日(土曜日)早朝まで降っていた雨も上がり、9時頃には快晴とまではいかないけどいい天気です。5月連休から愛車も洗っていないので、ガソリンを給油するついでにドライブスルー洗車機できれいに洗車。 折角きれいに洗車したんだし、このまま亀山をうろうろするだけでは勿体無いので、京都の南部は宇治市にある世界遺産『平等院』に行く事としました。平等院といえばやはり10円玉の 表に彫られている平安時代を代表する建造物です。一般にこちらが裏だと思ってる人多いけど、平等院が彫られている方が表なんだよね。

名阪国道を伊賀の手前で降りて信楽焼で有名な信楽へ。さすがにここは焼き物が有名なだけあって、沢山の陶芸工房や焼き物のお店が多い。で、なぜか狸の置物が多いんですね。何処を見ても狸の置物が沢山。小さいのから 5メートル以上ありそうな大きな物まで。なんか、ジブリの『平成たぬき合戦ポンポコ』の世界に紛れ込んだような雰囲気です。
そんな信楽を抜けた位から、空模様が怪しくなってきてとうとう雨が降り始めた。しかもどんどん強く降りはじめ、どしゃ降りに・・・。
折角朝洗車したのに台無しだ〜!


それでも宇治市に着いた頃には雨も弱まってきました。早々平等院近くの駐車場に車を止め、まずは宇治川に掛かる宇治橋を渡って『源氏物語ミュージアム』へ。宇治橋のたもとには写真左の紫式部の石像が。 宇治市は平等院も有名ですが、『源氏物語』の舞台としても有名なんです。物語後半部の十帖はここ宇治を舞台に繰り広げられています。その関係で宇治市は、「源氏物語散策の道」の整備など、源氏物語をテーマにしたまちづくり事業を積極的に進めていてます。 私は源氏物語は読んだことが無いので良く判りませんが、『源氏物語ミュージアム』に行けば大筋を知ることが出来るそうなので最初にそこに行って見ることにしました。写真右は渡っている宇治川から上流方向を見た様子です。

宇治橋を渡って徒歩約5分ぐらいのところに最初の目的地『源氏物語ミュージアム』があります。写真左がその入り口付近の様子です。平成10年に開館で、建物も内部も非常に綺麗です。ここの名誉館長は、あの瀬戸内寂聴さんだそうです。 早速入館料500円を払って中へ。

内部はテーマごとに光源氏の都での華やかな人生を表現した「春の部屋」、光源氏の息子の薫君と孫の匂宮が主人公となる、宇治十帖の世界を表現した「秋の部屋」、宇治十帖最後のヒロイン浮舟の物語を展開する「映像展示室」と分けられています。

最初の「春の部屋」では、光源氏の世界が舞台で、光源氏が最も華やかな時を過ごした六条院の縮小模型や、写真右の牛車の復元模型が展示されています。

さらには貴族の女性の部屋を彩った屏風・几帳・鏡台・棚などの調度品類を復元展示しています。とにかく色彩が豊かというか、非常に華やかな色使いで平安貴族の華やかな生活が伺え知れます。 また後ろの壁にマルチ画面で源氏物語の華麗な雰囲気を盛り上げる映像が流されており、源氏物語の世界に紛れ込んだような雰囲気が味わえます。

「春の部屋」から写真右のようなガラスの橋の様な通路を通ると「秋の部屋」に出ます。「秋の部屋」宇治十帖の中でも最も有名な「橋姫」の一場面で、宇治の地に立ち寄った源氏の息子薫君が、 閑寂な八宮邸に住んでいる大君・中君をみそめるシーンを再現しています。写真右がその様子で、右端に立っているのが薫君、左の部屋の中には大君・中君が琴や琵琶を爪弾いています。部屋全体は月夜を再現するために薄暗く、宇治十帖の世界感を強めています。

「映像展示室」では、『源氏物語・宇治十帖』の一場面を映像化した映画「浮舟」を上映してます。約20分の映画なので観て行く事にしました。映画は人形を使って、薫君・匂宮という二人の男性との出会いの中で数奇な運命をたどる浮舟に焦点をあてた内容で、 結構良く出来た映画で宇治十帖の世界に浸れます。下手な2時間映画なんかより絶対お勧めです。

ミュージアムはその他にも「企画展示室」「源氏物語に親しむコーナー」等があり、「チャレンジ!源氏物語クイズ」などのクイズやゲームを通して、私のように源氏物語を全く知らない人も物語に親しめるよう 工夫がされています。また図書室や講座室等、源氏物語をゆっくり閲覧できるコーナー等もあり、ここへ来れば源氏物語の世界を知ることが出来ます。この日はゆっくり読書をしている時間も無いので、ここでの読書は止めにしましたが、 一度源氏物語は読んでみたい気持ちになりました。

『源氏物語ミュージアム』を出る頃、また外は雨がパラパラ降っています。暫く中で待っていたけど、なかなか止まない・・・。仕方なく売店でお土産を買うついでに400円のビニール傘を購入し、外へ出たらなんと!!! さっきまで降ってた雨が止んでる・・・傘買ったのに・・・・。400円が無駄になってしまっただけでなく、余計な荷物が増えてしまいました。

そんな事にもめげず、次なる場所『世界遺産・宇治上神社』へ。『源氏物語ミュージアム』から右手方向に歩き、木々が立ち並ぶ間を通って行くと、途中左手に小さな神社が。 質素な感じで、何処にでもありそうな神社ですがちょっと寄ってみました。訪れている人も2,3人しか居らず、結構古びた神社です。なんて名前の神社だろうと立て看板を見てみると”宇治上神社”って書いてある。 「??宇治上神社の一部かな??」どう見ても世界遺産って風格は無いし。周りを見渡すと、来た方向と違う道に鳥居が建っているので、一旦そこへ行って看板を見ると『世界遺産・宇治上神社』って書いてありました。 なんと、この何処でもありそうな雰囲気の神社が世界遺産なんです。

慌てて神社境内に戻り再度ジックリ観賞です。確かにそういわれてみると、柱や壁を観るといかにも千年以上の歴史を感じる風格です。
(よく言うよ。さっきまで何処でも在りそうな神社って思ってたくせに・・・。)
この拝殿は、鎌倉時代前期に伐採された桧が使用されており、鎌倉時代に建てられたものです。

確かに写真左の拝殿屋根を見ると檜皮葺きの屋根で覆われ、コケが厚く張っています。いかにも歴史を感じさせるものがあります。 拝殿の前には「清め砂」なるものが小山のように2つ積んであります。

拝殿横にはお参りの際に手を洗い清める所かな?桐原水と言う宇治名水の一つで、今も湧き続けているます。ただ、飲むな!って書いてありますけど。

拝殿の横を通って裏手に回ると、本殿があります。平安時代後期に伐採された木材が使われていて、平安後期に建立された、わが国最古の神社建築です。 この宇治上神社には、応神天皇、仁徳天皇、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の三神が祀られていて、平安時代に藤原氏が平等院を建立したのち、その鎮守社として崇敬されました。

そんな歴史ある神社ですが、本殿前に自由に出入り出来るのには驚きました。一般に有名な神社(伊勢神宮・熱田神宮・出雲大社等々)は、拝殿前までしか一般の人は入れず、拝殿越しに本殿を拝むのが一般ですよね。 伊勢神宮なんか拝殿に幕が降ろしてあり、本殿を正面から拝むことも出来ませんでしたが、ここ宇治上神社は拝殿裏に自由に回れ、本殿の中まで見ることが出来るんだよね。世界遺産なのに、こんなに自由にうろうろ出来て良いの? 警備の人も見当たらないし・・・・。

宇治上神社を出て宇治川沿いを少し歩き朝霧橋へ。この橋の袂にも源氏物語の一こま、宇治十帖のモニュメントがあります。朝霧橋を渡って橘島へ渡ります。この日は結構風が強かったせいもあって、橋の上は強風が吹き荒れ お年を召した観光客は渡るのに苦労されていました。

橘島には宇治川先陣の碑があります。

1184年の源(木曽)義仲軍と朝廷から義仲追討の任を受けた源義経の戦いで、義経軍の名馬「するすみ」に乗った梶原影季と名馬「いげづき」に乗った 佐々木高綱の先陣争いで幕を切って落とした。先陣は策にたけた高綱がとり、義経軍が一斉に渡河して義仲軍を打ち破った。

この碑は、その故事に因んで、1931年年に建立されたそうです。

島は宇治川の中にあり、島の北側の本流は結構流れが速いのに対し南側は川上に堰があるからか、流れが穏やかでここでは鵜飼も行われているようです。この日は鵜飼はありませんでしたが、鳥小屋で鵜を見ることが出来ます。

橘島から南側に渡って、あじろぎの道へ。この道沿いには宇治川沿いに座敷が設けてあり、ここで宴会が出来るようになっています。この日も何処かの観光客の団体が昼食を取っていました。もちろんビールも出てます。 こんな所で飲むビールは美味いだろうな〜

あじろぎの道を進み、平等院表参道とに入った辺りに平等院への正門入り口があります。 正門から入って少し進むと左手に写真左の扇の芝があります。ここは1180年、以仁王(もちひとおう)の令旨を奉じ、平家打倒を掲げた源頼政はここ宇治で決戦に及び、衆寡敵せず平等院で 辞世の和歌を残し自刃した場所です。

さらに進んで観音堂の横を通り抜けると、世界遺産・平等院鳳凰堂が目の前に広がります。とは言っても写真右のように左横に出るので、10円玉で良く見る鳳凰堂を見るにはさらに進んで正面に回らないといけません。

正面に回ると、いつも10円玉で見ている鳳凰堂です。早速写真を撮ろうとしましたが、とにかく修学旅行の学生で溢れかえっており、正面の構図で写真を取ることが出来ない。写真はやや右側からなるべくガキンチョが写らないように なんとか撮ったものです。手持ちのデジカメでは広角撮影も限度があり、鳳凰堂全体を撮る事が出来ませんでした。

ところでこの鳳凰堂は正式名称は「阿弥陀堂」と言うそうです。その名の通り中には本尊阿弥陀如来像が鎮座しています。中は有料ですが入ることが出来き、大きな阿弥陀如来像や壁には同じく国宝の雲中供養菩薩等を観ることが出来ます。 残念ながら本尊は平成の大修復中で、本尊の修復は完了して鎮座していますが、台座天蓋等は現在修復中で観ることが出来ません。今年の10月には完了するようです。本尊も修復完了とは言っても、そこは国宝で世界遺産だけに 完全にきれいに修理することは出来ないらしく、金箔は所々ハゲハゲです。世界遺産だけに金箔を貼りなおすことは簡単に出来ず、修復と言ってもこれ以上腐食が進まないよう処理するだけらしいです。さすがに腐食が酷い所は 許可を得て金箔を昔の手法を用いて貼り付けてはいますが、基本的には作られた当時のまま一切手を加えることは出来ないのが決まりなんですね。そういえば広島の厳島神社も台風で一部流された場合も、その材木を取ってきて乾かして それを使って修復していたよな〜。世界遺産に登録されると、後の管理が大変なんですね。

本来の阿弥陀如来像の様子や、昔の創建当時の平等院の様子は敷地内にある平等院ミュージアム鳳凰館で観ることが出来ます。

阿弥陀如来像も平等院自体も創建当時の華やかな色彩では無いですが、ミュージアムで観た再現映像や再現模型を観て想像するに、昔はそれは絢爛豪華な建物だったんでしょうね。世界遺産だから本来の色彩や形状が判っていても その状態に戻すような修復は出来ませんが、逆にその古びた柱や壁をみて昔を想像するのも、時空を超えたロマンを感じられて、それはそれで良いかも知れませんね。

平等院を出て再び平等院表参道を歩き、御土産物を色々物色します。宇治はやはり宇治茶が全国的にも有名で、宇治茶関連のお土産が多く、特にお茶葉があちらこちらで売っているので、歩いててもお茶の香りがずっとしています。 結構いい香りです。

今回先ほども書いたように修復が完了してない関係で、一部観ることが出来ない所もありましたので、また来年にでももう一度訪れてみたいと思います。なんせ、亀山からなら車で1時間半と近く、今日の様に急に思い立って来ることも 可能ですからね。単身赴任の良さはこんな所ぐらいかな・・・・。

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